〜2〜

・・・・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!こ・ん・や・く・しゃぁ???

葉琉は少し後退りをした。

そんな!!ぜぇぇぇぇぇぇたい嫌だ!

葉琉は今にも泣きそうになった。

すると、飛鳥が葉琉に小声で言った。

「いいか、俺にあわせろ。じゃないと捕まるぞ!」

え!?捕まるの?何もしていないのに?まぁ、飛鳥の言うとおりにしよう。

「そっそうなんです。わっ私達婚約してますのぉ」

「え!飛鳥隊長の婚約者!?えっどうしよう、私とんだ失礼を!」

ヒカリは突然葉琉にペコペコと頭を下げ始めた。あまりに突然のことで葉琉は慌てた。

「え、そんな。別に気にしてないですから。」

葉琉は営業スマイルで答えた。

わぁ、俺何やってんだろう。

「飛鳥隊長。さっき許可無く時空移動させた者がいるとか言ってましたが・・・・もしかして」

「そうなんですよ。こいつのやんちゃさには困ったもので、ちょっと俺が目を離した隙にこれですよぉ」

「まぁそうなの。でもやんちゃって元気な証拠でしょ。いいじゃないの。それにかわいいし。」

ニコニコしながらユーランは葉琉を見た。

こんなに若いのに館長なんてすごいなぁ。

葉琉はユーランを見て感心していた。

「館長、おれ達ちょっと二人でこれからの事を話したいんで。ちょっと失礼します。」

「あら、今後のことなら心配しなくていいわよ。」

「え??」

「だってこんなにかわいいんですもの。ここに居て欲しいわ。」

「と、言いますと・・・」

「葉琉さんの部屋なら空いている部屋を好きに使っていいわよ。」

「え!!いいんですか!?」

「いいわよ、だって部屋がたくさん余ってるもの。」

「ですが、館長!」

「飛鳥隊長!そんなに婚約者をここにいさせたくないのですか?こんなか弱い女の子を」外で野宿させる気ですか!」

「そんなことしませんよ!」

「じゃあいいじゃない」

「・・・・・・じゃあそうさせていただきます・・・。それじゃあこいつ案内してきます。」

「そうしてください。これからよろしくね。葉琉さん。」

ユーランは微笑んだ。

・・・ん?俺ここで暮らすことになったの?・・・まぁ良くわかんないけど

「・・・はぁ。よろしくおねがいします。」

葉琉はユーランにつられて微笑んだ。

「じゃあ行くか!」

飛鳥は葉琉の手をひいた。

え?え?別に手をつながなくてもいいじゃないか!・・・・仕方ないか。

今は“婚約者”なんだから。・・・・・・我慢しよう。

それにしてもこの人達絶対目がおかしい!俺が女だって信じてるよ!何回も言うけど(心の中でだけど)俺は男ですから!

もういい加減気付いてくれよ!

葉琉はだんだん自分が本当に男なのかどうか分からなくなってきた。

何度同じ事を言ったことか。

「葉琉着いたぞ」

「へ?ここどこ?」

「さっき話しただろ!お前の部屋だよ!部屋!」

「あ?あぁ。俺の部屋って、いいの本当に」

「いいらしいぞ。早く中に入れば。元の時代とは全然違うからさ。一つずつ説明してやるよ」

「それはどうも。・・・それよりもさぁ、いい加減手、離してもいいんじゃない?」

「あ??あぁ忘れてた」

飛鳥は葉琉の手を離した。

忘れてたって。どうやったら忘れるんだよ!!

葉琉は飛鳥を睨んだが、当の飛鳥は全く気付いていない様子だった。

二人は部屋に入っていった。




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