〜3〜

「まずここが風呂だ」

「おい!これ本当に風呂かよ!何もねぇじゃん!シャワーも風呂桶も!」

「それでいいんだよ!お前が使う時に使い方を教えてやる。じゃあ次な!次は―――」

するとその時、サイレンのようなものが鳴り響いた。

と、同時に飛鳥が急に慌てだした。

「葉琉!!いいか、この部屋から一歩も出るなよ!」

「は?なんでさ!ちょっとどこ行くんだよ!飛鳥!おいって待って!おい!」

葉琉の叫びは今の飛鳥に届くことはなかった。

「・・・・ちぇっまた一人かよ!・・・」

葉琉は小さく呟いた。

・・・・一人・・・・一番嫌いな言葉・・・両親のいない四日間・・自分が孤独の塊に感じた四日間。

・・・・・・でも何故か辛くはなかった。

何故だろう。自分の家だったから?・・・きっと違う

・・・何故だろう・・・今の俺には分からない。

・・・・・淋しい・・・・・・・・

わけないだろ!

たく、飛鳥の奴どこに行きやがった!確かさっきのサイレン・・・何か怪しい・・・

飛鳥が俺を置いて出て行った・・・ってことは・・事件か!

あいつ俺が事件現場に行くのいつも反対してたからなぁ。間違えない事件が起きたんだ!

・・・・・ん?事件?・・・・・・・・あっ!そういえば学校の事件あの後どうなったんだ。

犯人は?クラスの奴らは?

そういえばこの学校の事件不可解なことが多すぎる!

まずは一つ目、

あの人数を眠らせるほどの大量の催眠スプレーを犯人はどうやって学校へ持ち込めたのか。

あんなに大量のスプレーを学校に持ち込んでいたら誰か、少なくとも一人は不審に思うだろう。

それが何故、誰一人として気付かなかったのだろう。

そしてこの俺も。

これは二つ目にもあたいする。

そして最大の謎三つ目。

クラスの奴らはどこに消えたのか。

飛鳥が倒れて俺と飛鳥が教室から出て戻ってくるまで多分十分位だ。

そして、もし犯人が一人ならばあれだけの人数を移動させるにはせいぜい早くて二十分くらいだ。

それだけの時間がかかっていたならば、俺達は犯人と出くわしていたはず。

しかし俺達は犯人と一度も会っていない。もしかして犯人は一人じゃないんじゃないのか?

だとすれば俺達が犯人と会わなくてもおかしくはない。

これが一番の難題なのかも知れない。

この犯人には謎が多すぎる。

この事件の手がかりは何も無い。あるとしたら謎だけ。

この事件どうやって解決していけばいいのか。俺にこの事件の謎は解けるのか?

もし解けなかったら消えたみんなはどうなる。

それよりも今みんなは無事なのか?

まさか犯人に!!そんなことは遭ってはいけない!

急がなければ!

俺がみんなを助けてやる!




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