〜7〜

         昨日の続きはまた明日。

今日あったことを書きます。

今日は、朝産婦人科の先生から電話がありました。

用件は何もおっしゃらず、ただ「なるべく早く病院に来てください」と。

私は、この言葉を聞いて胸にありとあらゆる可能性が頭をよぎりました。

だって、こんなこと急に言われたら悪いことばかり考えちゃうよ。

旦那さんはそれを聞いて、

「み、美季お、落ち着けよ。深呼吸スーハ〜ってか、美季お腹にタオルでも掛けて冷やさないようにしないと!

うわぁータオルは僕が取ってくるから早く座ってて!

病院には僕が送っていくから。仕事?そんなのは二の次三の次だ!―――」と、旦那さんは暴走しちゃいました。

晃(あき)ちゃん貴方が落ち着いて(笑)。

ってか、お仕事を私と赤ちゃんの為にこうもほっぽり出せる優しくって、心配症で、ちょっと甘すぎる晃ちゃん。

はぁ〜このままお仕事に無理やり行かせても絶対に危ないよねぇ。

今日は甘やかしてもいいか、と思って今日は旦那さんはお休みさせました。

有休がまだ残っているから大丈夫みたいだし。

旦那さんにあれこれ甘過ぎるほど気を使われながら、病院に行きました。

病院で待っている間、心の中は不安ばかりで、押しつぶされそうでした。

考えたくないのに次から次へとわいてきて・・・。

そんな時旦那さんが優しく手を握ってなでてくれました。

何も言わず、温かくって大きな手で・・・ちょっと震えながら。

お互い様なんだって思って、少し不安が薄らいだ。

静かに呼ばれるのを待っていました。

「市野さん、市野美季さん。あのーさっきから呼んでいたのですが・・・。」と声を突然掛けられました。

私たち寝てました・・・。

アハハ。

私は旦那さんを起こして、診察室へと入りました。

私はゆっくりと旦那さんの手を借りながら椅子に座り、旦那さんは私の横に身を固くして立ちました。

晃ちゃんが倒れないか少し心配でしたね。

お医者さんは、持っていたカルテをおいて、こちらにクルリとこちらに向きました。

心臓がどこかに吹っ飛びそうなほどドキドキでした。

しかし、こちらに向いたお医者さんの顔は満面の笑顔に・・・。

私は、急に力が抜けちゃって、晃ちゃんなんかそのまま後ろに倒れちゃって・・・。

お医者さんは豪快に笑い、「すみませんね。心配させてしまう伝言で。

あの時急に陣痛が酷くなった患者さんがいて、急いでいたもので・・・。

旦那さーん、もしもーし大丈夫・・・みたいですね。

実は、今まで超音波検査の結果に疑問を持ちまして、再度カルテを見直してみて、ある可能性が・・・

あ、旦那さんまた倒れないでください。悪いことじゃありませんから。とにかく、もう一度検査してみましょう」

とおっしゃいました。

それと同時に、旦那さんは私のお腹におでこを付けて「よかったぁー。よかった。」と呟きました。

ほんと、幸せものだねっと、お腹をさすりながら心の中で語り掛けました。

その後、いろいろと検査を受け、数時間後・・・。

私は驚きを通りこして、お医者さんの服を掴んで揺するという変な行動を起こし、

旦那さんは、何をしていたのか見ていないので分かりません(笑)

私たちが驚いた理由、それは――私のお腹にはなんと、二人の子供がいたのです!

なぜ、今まで分からなかったのか――今は、というよりこの先も分からないみたいです。

何か都合の悪いことがあるのかもしれません。

まぁ、そんなことはどうでもいい、分けないのですが、無知な私たちにはまったく分からないことなので、

無事生まれるならよしということにしときます。

驚きの嵐の後、お医者さんは私が揺すったせいで乱れた服を直しながら、

「市野さん、今まで如何して分からなかったのかは不明ですが、胎児は順調に育っています。

なので、今から双子の出産についてお話しますね。

双子の場合ちょっとリスクがあります。まず、早産の可能性があります。

今回は少し特殊なケースなので、明日から入院をしてもらいます。

もう少し早く分かっていれば、ばたばたさせずに済んだのですが・・・。

二つ目は、未熟児で生まれる可能性が高いです。いちを、三十四週は過ぎてますけど・・・ね。

三つ目は帝王切開をする可能性が大きいです。まぁ二〇〇〇gあれば自然分娩がいちをできます。

そして、四つ目は、未熟児ならば保育器に入る可能性があります。」とおっしゃいました。

私はただただうなずくしかありませんでした。

「今回、特殊なケースで胎児の片方はとても小さすぎるかもしれません。市野さん、大丈夫ですか?

では、明日から入院ですので、準備のほうよろしくお願いします。

必要なものはこの紙に書いてますので。では、お大事に」とおっしゃいました。

私は、リストの紙を受け取り、旦那さんに支えられながら診察室を後にしました。

不安で、驚いて、心細くって、嬉しくって・・・もーいまだに心は複雑です。

今、リストとにらめっこ。

本日十回目の再点検をしながら、隠せない不安と嬉しさをかみ締めている今日この頃です。

予定日まで二十五日です。




  お話  ほーむ