〜6〜
昨日の続きを書きます。
私たち家族は手紙をもらった週の土曜日に和のご両親の家に電話をしました。
電話には和のお父さんがでて、
「待っております。」って言ってました。
後ろで和のお母さんが、“もっと早くこれないのぉ〜”って言うのが聞こえたような・・・。
と、まぁ家族で、和の家へ押しかけたわけです。
和のお母さんは玄関で正座をした状態で私たちを出迎えた。
満面の笑みで。
で私たちを案内しようと立ったとき、見事にズッコケタ・・・
いったい、あなたはどのくらいココで正座をして待っていてくれたの?
なんていう疑問が持ち上がったが、あえて捨ててみた(笑)
居間に案内された。
暖かい日差しが入る居心地のよい部屋だった。
和のお父さんは私たちにソファーに座るように勧めてくださったあと、台所にいって飲み物を取りにいっきました。
和のお母さんは奥の部屋に行ってしまった。
和のお父さんが飲み物を私たちの前へ、持ってきてくださいました。
和のお父さんが「今日は林檎と蜂蜜のジュースです。今日は奮発して、作りましたからきっと美味しいですよ。」
と暖かな声でそう言いました。
ってか、奮発しましたって、普通言いますか?と思ったが、
確かに林檎のいい匂いが、いつもと違う高そうないい匂いのため疑問が感謝へと変わった。
和のお母さんは大きな箱を私たちの横にドスンと置いて
「お、重いーー。ってか重労働は男の仕事でしょ!ってか、あんた私のジュースだけ無いじゃん!あ!どうも失礼を・・・」
と面白いぐらい変わるテンションで言いました。
なんだか子供っぽい。
と私がクスリと笑うと、それを見た和のご両親も笑った。
そういえばこのやさしい笑顔和とよく似ている。
やっぱり親子なんだ、と思った。
あはは、当たり前ですね。
箱の中身は、アルバムでした。
とても古そうなものから、まだ艶がある表紙の物まで。
結構大量で、一冊づつ結構な重さがありました。
心の中で和のお母さんに拍手をおくっちゃいましたね。
そのアルバムの中には、和やそのご両親のあの優しい笑顔が綺麗に整頓され、写真の下にはコメントが張ってありました。
生まれてすぐに撮った写真や、始めて遊園地に行ったときの写真、
小学校の入学式の写真、そして病院での写真。
どれも、和は幸せそうに優しい笑顔を顔に浮かべていた。
「美季どうかしたの?」と私の母がそう言ってくれるまで、私は自分に何があったのか気づきませんでした。
頬に暖かい滴があることに。
なぜ泣いたのか未だに理由は分かりません。
懐かしかったのか、和の写真があってホッとしたのか、
それともあの笑顔は私だけに向けられてた分けではないのかもと感じ、悲しかったのか・・・。
もしかしたら、全部なのかも知れません。
どの理由であろうと、私は涙を流し続けました。
写真やアルバムに滴を落とさないように手で顔を覆って、静かに泣いていました。
私が涙を流している間、私の両親も和のご両親も静かに優しく見守ってくれてました。
それが有難くって、なんだか照れくさくって・・・。
数分思う存分泣いた後、私は服で涙をぬぐって、和のご両親に唐突に、
「和はどうして私のところに来たのですか?」泣いたせいで震える声で訊ねました。
本当は世間話をもう少ししてから、話し出そうと計画をしてたんですけど、どうも今聞いたほうが良いように思えたんです。
案の定、私の唐突の質問に、和のご両親はもちろん私の両親まで目をまん丸にして、口をポカーンと開けて固まっていました。
その光景といったら、今まで泣いて、複雑な気持ちの私がアハハハと声を立てて笑うぐらいに面白かったです。
あ!今日の晩御飯まだ作ってなかった・・・。
今日は、此処までで・・・
こんなあわただしい私は、果たしてこのお腹の子の立派な親になれるのかしら?と不安を抱えてご飯を作る今日この頃です。
予定日まで二十六日です。
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